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農水OBが3法人理事兼務、事務所は同じ報酬は別(読売新聞)

 農林水産省所管の社団法人「全国トマト工業会」の専務理事を務める同省OB(64)が、同じく同省所管の社団法人「日本ソース工業会」と、財団法人「全国調味料・野菜飲料検査協会」の専務理事も兼ね、3法人それぞれから5年以上にわたって役員報酬を得ていることがわかった。

 前任者の同省OBも3法人の専務理事を5年間兼務していた。今月20日から再開される政府の事業仕分けでは、この3法人と同様、天下りの“指定席”になっている公益法人のあり方が問われることになりそうだ。

 ◆「天下り指定席」仕分けで議論へ◆

 3法人の専務理事は元農水省ノンキャリアで、農林水産技術会議事務局筑波事務所長を2004年3月に退職すると、同5月、3法人の専務理事に就任。その後、それぞれ月22万5000~30万円の役員報酬を受け取り、昨年まで5年間の年収は約900万円だった。前任者も同じく同省OBのノンキャリアで、04年までの5年間、3法人の専務理事を兼務していた。

 全国トマト工業会の設立は1963年で、全国調味料・野菜飲料検査協会は74年に、日本ソース工業会は77年に設立された。3法人とも発足当初から同じビルの部屋に事務所を置き、現在の東京・中央区の事務所には、それぞれ1~6人の職員がいるほか、専務理事以外にも、3法人の経理担当を兼務する職員がいた。日本農林規格(JAS)認定工場の品質管理者を対象にした講習会も共同で実施している。

 日本ソース工業会が発足した当初から歴代の同省OBが3法人の専務理事を兼務しており、官僚OBの年収を一定程度確保するため、3法人から報酬を得る慣行も続いていたとみられる。

 全国トマト工業会と日本ソース工業会は、メーカーからの会費が主な収入で、08年度の収入はそれぞれ1億5000万と3700万円。全国調味料・野菜飲料検査協会は、トマト加工品などの品質検査の検査料が主な収入で、08年度の収入は約1億円だった。3法人とも国からの補助金など国費は投入されていない。

 専務理事は読売新聞の取材に「3法人はもともと一つの任意団体で、三つに分かれた際に給与を分割しただけ。他の公益法人に比べ、報酬がそれほど高額とは思わない」と話している。

 農水省食品産業振興課の話「兼務は法的には問題はないが、公益法人に対する国民の目が厳しい中、好ましい状況とは言えず、対応を考えたい」

 ◆「5代以上」324公益法人に◆

 衆議院調査局が2009年5月にまとめた「国家公務員の再就職状況に関する予備的調査」によると、08年4月時点で、全国の3559の公益法人には計1万8274人の官僚OBが在籍し、半数以上の9459人が理事長や専務理事などの役員だった。これらの法人に2007年度、補助金や契約の形で投入された国費は5750億5800万円。特定省庁のOBが役員を歴代務める法人も多く、総務省の昨年末の調査では、同じ省庁のOBが5代以上続けて天下りしている公益法人は324法人の408ポストに上っている。

 ◆公益法人=非営利事業を目的とした社団法人と財団法人の総称。2008年12月、経営の透明性確保と所管省庁との癒着防止を目的にした新公益法人制度が始まり、13年11月までに、所管省庁の認可が必要な「公益社団・公益財団法人」か、認可の不要な「一般社団・一般財団法人」に分かれることになった。内閣府によると、08年12月時点の法人数は2万4317で、うち国の所管は6625法人。

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